結局のところ
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ちいさなことが嫌で恥ずかしくてみっともない気がして情けなくて、素直という言葉を忘れてしまうことがある。
本当はこうだったのに言えなかった。
言いたくなかった。
そのつまらなくて下らなくてガキ臭い意地がいつまでもいつまでも心の中に残っていたりするし、時効を理由に蓋を開けて「あの時言えばよかった」なんて後悔したりする。
言いそびれたありがとう。
意地を張って言えなかったごめんなさい。
言えばよかった久しぶり。
そうやって素直にならないうちに、人は離れて、遠ざかって、いつしか思い出すことすらままにならなくなる。
「言えば」
まだそこにあったかもしれないのに。
でも「言わなきゃよかった」こともある。
言わなきゃよかったことは何年経ってもついてくる。
後悔は歩みを止めてしまう。
謝ることも出来ないまま、時間も人も自分に見向きもせず進んでしまう。
結局のところ。
情けないのは「すればよかった」という言葉ひとつだ。
言っても言わなくても、それは自分の選択だったのだから受け入れればいいと思うし、もう二度と見誤らないように生きていけばいいと思う。